国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)

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国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)は、障がいのある方も、ない方も、
すべての人にご利用いただける施設です。障がい者が主役の芸術・文化・国際交流活動の機会を創出し、
障がい者の社会参加促進をめざします。施設内には、多目的ホールや研修室、宿泊室、レストランを備えています。

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【特別配信】ビッグ・アイリレーコラム 「芸術の秋~リアルな観劇に感激!~」:西口 禎二

【特別配信】ビッグ・アイリレーコラム 「芸術の秋~リアルな観劇に感激!~」

ビッグ・アイ共働機構 代表 西口 禎二 
(社会福祉法人 大阪障害者自立支援協会 理事長)

 秋といえば、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋、行楽の秋・・・・・など、秋と結びつく言葉はたくさんありますが、芸術の秋にフォーカスして思うところを述べたいと思います。
 「芸術」を検索してみると「作品の創作と鑑賞によって精神の充実体験を追求する文化活動。文学、音楽、造形美術、演劇、舞踊、映画などの総称。」と出てきます。

 先日、東京芸術劇場で上演されました、DANCE DRAMA Breakthrough Journey“ というダンスパフォーマンスを鑑賞してきました。国内外で活躍するプロの振付家と、各地域で行ったオーディションで選ばれた年齢や性別、障がいの有無を問わないダンサーたちが協働して一つの作品に作り上げるという画期的なプロジェクトです。障がい者をはじめ多様な人々の国際的な文化芸術拠点、交流拠点である「国際障害者交流センタービッグ・アイ」が、これまでに蓄積してきた経験やノウハウ、国内外とのネットワークをフルに活用することで完成できた作品です。
 この作品は、コロナ禍の中、2021年1月の1回目の上演を皮切りに、各地で映像上演やシンポジウムが開催されてきましたが、生で鑑賞させていただいたのは2回目の上演となる今回が初めてでした。これまでに映像では拝見しておりましたが、映像とは比較にならないほどのド迫力に感激しました。
 出演者(ダンサー)と観客が同じ空間を共有し、同じ空気感を味わうからこそ得られるものと実感しました。コロナ禍の中、オンライン、メタバース、アバター・・・・・色々な言葉が並びますが、リアルが一番。リアルに勝るものはない。直接本物に触れることの大切さを身をもって実感しました。まさにリアルな観劇に感激でした。

 ここで素朴な疑問ですが、芸術が人々の生活にどのような影響を与えているのかと考えたところ、これは生活に不可欠な活動、生活の潤滑油ではないかとの結論に至りました。何故なら、スポーツやレクリエーション活動も含め、こうした活動は総称して「余暇活動=自己実現のための活動」と表現されますが、心に余裕をもたらし、心を癒す効果がある活動、すなわち心の健康を保つための活動であるからです。
 もう少し具体的に説明すると、私たちは日々の生活の中で、「寝ること、食べること」で身体的機能の維持・向上を図ったり、肉体的疲労を回復させたりしています。同じように「自己実現のための活動」により、精神的安定を保ったり、ストレス解消などの精神的疲労を回復させたりしています。
 このように、「寝ること、食べること」と「自己実現のための活動」は、車の両輪としての役割があり、その一方でもなくなったり、バランスが壊れるようなことがあれば、その人の生活そのものを壊してしまい、場合によっては命に関わる問題にもなります。
 しかしながら、現実的には、こうした活動は、個人的な趣味・嗜好と考えられ軽視されている、あるいは優先順位が低い(必要ない)と考えられているのではないでしょうか。車のハンドルに「遊び」があるように、人々の生活にも「遊び」が必要です。この必要な「遊び」こそが「自己実現のための活動=心の健康を保つための活動」から生み出されるものです。

 コロナ禍の中、「いじめ」や「虐待」、「DV」などが増えています。これらは言うまでもなく命に関わる問題ですが、増えている背景には、「自己実現のための活動」の機会が少なくなった結果、人々の心に余裕がなくなり、心の健康を保てなくなっていることが大きな要因と考えられます。
 今後、コロナとの共存は避けられません。Withコロナの観点からも、今こそこうした活動にもっと光を当て、そこから生み出される「遊び」の社会的価値を高めなければならないのではないでしょうか。

 こうした考えに賛同いただける方々には、SNSなどを活用し、是非とも拡散をお願いします。議員をはじめ有名人など、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる方々には、特にお願いします。また、国や自治体におかれては、こうした活動への重点的な予算配分を切にお願いします。

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