国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)は、障がいのある方も、ない方も、
すべての人にご利用いただける施設です。障がい者が主役の芸術・文化・国際交流活動の機会を創出し、
障がい者の社会参加促進をめざします。施設内には、多目的ホールや研修室、宿泊室、レストランを備えています。
お知らせ
2021.12.24
リレーコラム
ビッグ・アイリレーコラムVol.5 「調和」ある社会
国際障害者交流センター
副館長兼事業企画課長兼AEP 鈴木京子
「調和」ある社会
先日、1970年大阪万博について調べる機会があり、テーマとなった「人類の進歩と調和」の成り立ちについて探ってみた。
「人類の進歩と調和」がテーマに決まったいきさつは、民族学者・未来学者の梅棹忠夫氏、SF作家の小松左京氏、社会学者の加藤秀俊氏らの自由研究会「万国博を考える会」での議論の中から生まれたという。
わが国は1950年代後半から始まる経済の高度成長によって、産業技術の発展や国民生活の向上など、便利で豊かな時代へと変わっていった。
反面、急速な発展の陰で、「公害」や「自然・環境破壊」などの深刻な社会問題が生まれることとなった。そのような背景から、人類はどのようにすれば調和した進歩を遂げていけるのかということを1970年の大阪万博のテーマとして掲げることとなり、「人類の進歩と調和」に決まったという。
「調和ある進歩」を実現することが当時の未来を描くテーマであった。
「進歩(成果、発展)」だけではなく「調和(問題や課題がないか)」にも視点を置くことが重要であるということである。
広辞苑で「調和」を調べると「二つ以上のものが、それぞればらばらになることなく、よくつりあいがとれていること。また、そのつりあい」とある。
1970年の大阪万博から50年以上経った今はどうだろう。
「見える」はずのものを「見ていない」ことはないだろうか。
ビッグ・アイの事業においても、一人ひとり異なる人たちが、ばらばらになることなく、誰ひとり取りこぼすことなく、ともに参加できる環境を創るために、常に1970年万博の課題と向き合いながら、2025年大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を視野に入れ取り組んでいきたいものである。
次回のコラム執筆は、ビッグ・アイの運営協議会の委員長をおつとめいただいております桃山学院大学名誉教授石田易司さんにお願いしたいと思います。
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