国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)は、障がいのある方も、ない方も、
すべての人にご利用いただける施設です。障がい者が主役の芸術・文化・国際交流活動の機会を創出し、
障がい者の社会参加促進をめざします。施設内には、多目的ホールや研修室、宿泊室、レストランを備えています。
お知らせ
ビッグ・アイリレーコラムVol.3 「生きていくための"潤滑油"にもっと光を!」
ビッグ・アイ共働機構代表
西 口 禎 二
「潤滑油」とは、機械やエンジンの歯車、ネジなどの接触部分を滑らかに動かすために不可欠な油のことですが、例えば、初対面で会話も弾まないとき、「ユーモア」によって距離感がぐっと近くなったという経験をされたことはないでしょうか。「ユーモア」はコミュニケーションの"潤滑油"なのです。
同じように、人々が生きていくうえで、生活に"潤い"をもたらすためには、趣味や自己実現のための活動、例えば、好きなスポーツ活動や芸術・文化活動などを行ったり、あるいは観戦、鑑賞したりすること、つまり熱中できる活動が必要ではないでしょうか。
これらは通常「余暇活動」と表現されますが、決して暇を持て余している活動ではなく、心に余裕をもたらすものであり、生きていくために不可欠な活動、すなわち"潤滑油"だと思います。
昨今この"潤滑油"が疎かにされているため、人々の心に余裕がなくなり、ギスギスした社会になっているのではないでしょうか。もちろん効率性や合理性を否定するのではありませんが、その行き過ぎが生きづらい社会を作っているのではないでしょうか。
今こそ、"潤滑油"にもっと光を当て、人々の「心の余裕」を取り戻す時期だと思います。
特に、障がいのある方々にとっては、"潤滑油"へのアクセスすら不十分な状況です。生活支援や就労支援と同じように、生きていくための"潤滑油"へもっとアクセスしやすく支援を強化・充実すべきです。
先日、東京パラリンピックが幕を閉じましたが、開会式でパフォーマンスを披露した障がいのある方々の中には、毎年、ビッグ・アイで開催している「舞台芸術オープンカレッジ」(大阪府委託事業)への参加者もおられました。また、日本の選手の活躍や感動シーンが連日報道され、これまで以上に障がいのある方々のスポーツを身近に感じるなど、注目度が増したのではないでしょうか。
今、コロナ禍で大変な時期ではありますが、ピンチはチャンスです。東京パラリンピックを決して"潤滑油"というつもりはありませんが、このタイミングを逃さず、東京パラリンピックのレガシーを将来に繋ぐ意味合いを込め、今こそ、「生きていくための"潤滑油"にもっと光を!」
次回は、「大阪府福祉部障がい福祉室の小牟禮まゆみ障がい福祉企画課長」にバトンタッチしたいと思います。
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