再び、香港で

生きることは
なんと残酷なのだろう
一つの感覚を失うと
世界との関係はそれだけ希薄になる

再び、香港の作品と日本の作品、さらにいくつかの国の作品が、香港で出会い、溶け合い、反発しあい、高めあってゆくでしょう。

作品と出会うよろこびと、人と出会うよろこびは、同じではない。今回の展覧会と交流の実現に努力された方々に感謝します。

冒頭のことばは、ある全盲の女性のものだが、彼女は次のようにも述べている。

彫刻との出会いによって
その関係がほんの少し変わりつつある

彼女にとって、この二つのことばが結び付くためには、どのくらいの時間がかかったのだろうか。いや、時間の長さではない。彼女の人と物との関わりの中で、深い思いをもって過ごしてきた時間の密度の問題だ。

西村　陽平

～ ビッグ・アイ　アートプロジェクト関連企画 ～
『共通感覚を拡げて』　"Spread Our Common Sense"

平成29年度の「ビッグ・アイアートプロジェクト2017」作品募集において選定された作品、国内で先進的な活動をおこなう「やまなみ工房」と「アトリエコーナス」の作品、そして香港の作品を交えた合同国際展示会を実施します。国境を越え、多様な人が生み出す「共通感覚」を、広く世界へ発信します。関連企画として、障害のある人の芸術活動や支援についてのシンポジウム、障害のあるダンサーである森田かずよによるダンス公演やワークショップ、「やまなみ工房」に通所するアーティストたちの創作スタイルや、工房で過ごす日常の様子を追った『地蔵とリビドー』上映、アトリエコーナスに通うアーティストや森田かずよが出演するリチャード・ブッチン（英）による映像作品《The Voice of the Unicorn》特別版の展示も行います。

出品リスト
作者名／作品名

ビッグ・アイ　アートプロジェクト2017

竹内知 《図書館で虐待についての辞書を読む》
Lee Kam Chuen (KC)　《With All the Eyes》
M. THILINA PIYAMAL FERNANDO　《A Forest》
Gaëtane Cummings　《IN MY SMALL BUBBLE》
Wong Shek Wong, Frank　《White, Black and Gold》
仲川佳那　《飛び出してきた》
桝本吉隆　《たんぽぽ》
MOMO　《すだち》
YOON HA GYOON　《freedom》
Larissa MacFarlane　《Managing the day in the light and the dark》
JORGÉ PABLO HERNÁNDEZ MONTOYA　《JUST LINES I》
Johanneke van Nus　《portrait of Livia》
ERIK NITSCH TER HORST　《BLACK AND YELLOW SKULL》
Au Yeung Piu 《Fruit》
Trevor Lee　《Land & Sea of Many Colours》
Choi Jin Woo　《The Black Bulldog》

やまなみ工房

岡元俊雄　《ひと》
岡元俊雄　《女の人》
岡元俊雄　《女の人》
岡元俊雄　《男の人》
加賀谷圭太　《てんとうむし》
加賀谷圭太　《さかな》
加賀谷圭太　《男の人》
吉田楓馬　《脳と心臓の戦争》
吉田楓馬　《アイ1》
吉田楓馬　《部屋》
栗田淳一　《無題》
栗田淳一　《無題》

アトリエコーナス

吉川真美　《たくさんの動物たち》
白岩直子　《無題》
西岡弘治　《楽譜♭♭♭♭》
西岡弘治　《楽譜ANDANTE22》
中村大輝　《ひろきがいっぱい》
植野康幸　《無題》
植野康幸　《緑の壁　見つめる女》
大川誠　《赤い人と白い人》
大川誠　《怒れる人》
河野竜司　《ぴんく　a》
河野竜司　《ぴんく　b》
中村和毅　《うみ》

Richard Butchins 《The Voice of the Unicorn》

≪関連イベント≫

2018年8月24日（金）
16時00分　オープニングセレモニー
17時15分　森田かずよ　ダンス公演　『アルクアシタ』

2018年8月25日（土）
10時30分　森田かずよ　ダンスワークショップ
14時00分　『地蔵とリビドー』上映
15時30分　『共通感覚を拡げて』記念シンポジウム

2018年9月2日（日）
15時00分　『地蔵とリビドー』上映

★香港での紹介ページ

http://www.cccd.hk/?a=doc&id=2363