演劇・ミュージカル
スペシャルプログラム「葉っぱのフレディ ―いのちの旅―」
第1部「葉っぱのフレディ」朗読 朗読:みらい なな
日野原先生からのビデオ・メッセージ
「葉っぱのフレディ」の朗読の前に、ミュージカル「葉っぱのフレディ」の企画・原案者で、今年、2011年10月に満100歳を迎えられる日野原先生からのビデオ・メッセージが会場のスクリーンに映し出されました。日野原先生は子どもの頃から音楽や踊りに親しまれていたそうで、今でもミュージカルは大好きとのこと。絵本「葉っぱのフレディ」のミュージカル化を出版元の童話屋さんから依頼された際、最初は戸惑ったそうですが、チャレンジしてみることにしたそうです。
2000年に東京で初演して以来、毎年、夏の公演のために小学校低学年から中高生まで、オーディションにより出演者を決め、公演を続けたそうで、昨年、2010年8月には念願のニューヨーク・オフ・ブロードウェイ劇場で上演できたそうです。通常は1時間40分の作品ですが、今回、ビッグ・アイでの上演のためにバリアフリー版として1時間に凝縮。「若干、ハンディキャップがあっても、それぞれの命を大切にして、生き甲斐をもって生活できるよう、『葉っぱのフレディ』を皆さんにお目にかけたい」と熱いメッセージをいただきました。
説得力のある朗読から、命の大切さを知る
引き続き、「葉っぱのフレディ」を美しい日本語に翻訳されたみらいななさんが登場。「葉っぱのフレディ」をご自分で翻訳された言葉で、ゆっくりと朗読くださいました。
「葉っぱのフレディ」は大きな樹木に生える葉っぱたちの話で、春に生まれてから冬に散るまでの葉っぱの一生を描いた物語です。春に芽生えた葉っぱは夏になると木陰を作り、秋には紅葉し人々の目を楽しませます。そして冬になると枯れて落葉。しかし葉っぱは地面に落ちても、その水分や栄養は樹木の根から吸収されて、春になると再び、新しい葉っぱに成長する、という話で、「“いのち”は巡る」というメッセージが込められていました。
私たちはどこから来て、どこへ行くのか。生きるとはどういうことか。死とはなんだろうか。ふだん漠然と考えていたこと、大人でもなかなか答えられないことについて、じっくり思いを馳せることができた時間となりました。
- 日野原重明(ひのはら しげあき)
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【プロフィール】
聖路加国際病院理事長。
明治44(1911)年、山口市生まれ。今年、満100歳。
京都帝国大学医学部卒業。昭和16年、聖路加国際病院の内科医になり、内科医長、院長を歴任。平成17年、文化勲章受章。ベストセラー「生き方上手」など。
- みらい なな
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【プロフィール】
株式会社童話屋編集顧問。
甘草屋敷子ども図書館(山梨県甲州市)名誉館長。
昭和15(1940)年、東京都生まれ。
ニューヨークの絵本作家シャーロット・ゾロトウの絵本などの翻訳がライフワーク。翻訳を手がけた「葉っぱのフレディ」は110万冊を超えるベストセラーになる。