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タッチ・ザ・ワールド・フェスティバル

エヴリン・グレニー 来日記念スピーチ&ライブ

音をからだで感じること、それが創造することのはじまり

コンサートに先立ち、みなさんへのメッセージとして、エヴリンさんからのスピーチがありました。
はじめに、エヴリンさんは自分自身のことをミュージシャンというよりは、サウンド・クリエイターであるとおっしゃいました。なぜなら、彼女は健常者が音を聞くのとは別の方法で音を感じ取っているからで、その感じた音を理解し、組み合わせて音楽を創造(クリエイト)するからだそうです。このプロセスは彼女が独自に獲得したもので、これにより彼女は世界一流のパーカッショニストとして認められたそうです。
エヴリンさんはご自身の体験から「障がいがあるということは、目標を達成するために多くのハードルをもっていると考えてください。それらを乗り越えた時に、健常者の理解を超えた創造力を発揮できるのです」と力強くおっしゃいました。
そして、「これまでにも障がいのある多くのアーティストが、創造すること、共有すること、そして楽しむことを示してきました。みなさんも目指していることを自身の努力と決断で達成させることができるので、障がいを理由に妥協したり、途中であきらめたりしてはなりません」と、熱い励ましのメッセージでスピーチを終えられました。

続いて、エブリンさんのソロコンサートが始まりました。マリンバをはじめ、コンガやシンバル、スネアドラムといった打楽器を、たったひとりで演奏されました。
終始穏やかな「リトルプレイヤー(Little Prayer)」という曲は、彼女が12歳の時に作曲したもので、まさにそっと祈りを捧げるような、心にしみ入るような静かな曲でした。
またスネアドラム(小太鼓)1台で演奏された曲では、さまざまな叩き方で音色を変えてみせてくださり、彼女の演奏テクニックが世界一流であることに会場からは驚嘆の拍手が沸き起こりました。
マリンバで演奏された曲の多くは、やさしいメロディーをなめらかに運ぶリズムが印象的で、彼女が幼い頃から心豊かな感性を育んできたからこそ、だれの心にもそれが音となって届くのだな、と感じられるコンサートとなりました。

Evelyn Glennie(エヴリン・グレニー)
エヴリン・グレニー

【プロフィール】
1965年生まれ、スコットランド出身。
12歳になる頃にはほとんど聴覚を失うが、音楽への熱意は失うことなく、19歳で英国王立音楽大学を卒業。その後、世界屈指のパーカッショニストとなる。現在、欧米を拠点にし、クラシックからロック、ジャズまで、幅広いジャンルで精力的な活動を続け、年間100以上のコンサートを国内外で開催している。
音楽のアカデミー賞と称されるグラミー賞に、これまでに4度ノミネートされ、2度にわたって受賞した。ほか各国王室、政府からの受賞歴も多数。また彼女の自叙伝が映画化され、世界各国の映画賞も受賞している。
教育活動、福祉活動チャリティー、社会貢献活動にも熱心に取り組んでいて、本国イギリスでは15の大学の名誉博士、臨床医としても活動している。さらには欧州、米国の大学・医療・教育機関でも数多くの名誉博士の地位をもつ。2006年には大英帝国爵位DAME(デイム=女性に与えられるサー)の称号を授与された。


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