タッチ・ザ・ワールド・フェスティバル
張紹成京劇団
「変面」や「孫悟空」など、中国京劇の魅力を存分に
「変面」では、白黒の派手な羽飾りのついた帽子の演者が、アップテンポな音楽に合わせてダイナミックに舞いましたが、驚いたのは踊りのすばらしさだけではありません。お面が、赤・黄・白と瞬時に変化し、大きな歓声が響きました。次に披露されたのは中国音楽。京胡による演奏で、二曲目の「梅花」は、寒い季節にぴったりの曲です。冬の寒さの中でたくましく生きる花を表現する美しい演奏に、椅子の上でリズムをとる女の子もいました。
そして、アクションの実演です。ワークショップで立ち居振る舞いを勉強した参加者も舞台で成果を発表しました。
槍を20回も回転させたり、「刺す」「はらう」「回して刺す」など複雑な動きもちゃんと覚えて、堂々と演技をすることができました。
最後は、みんなが大好きな孫悟空のお芝居です。孫悟空のセリフはすべて中国語でしたが、盗み食いするひょうきんな仕種に笑いが洩れるなど、身振りや表情で物語を理解することができたようです。
- 張 紹成(ちょうしょうせい)
-
【プロフィール】
1962年北京生まれ。10歳から京劇俳優養成の最高機関である中国戯曲学院で学び、中国最高峰の劇団「中国京劇院」の主役俳優となる。1990年に日本で京劇普及に勤めたいと来日した。その後、2005年には、ユネスコ世界無形文化遺産選定北方昆曲劇院の特別プロデューサーに就任するなど、国際的な活躍を続けている。