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“Adventure for all” ビッグ・アイフォーラム2
「障がい者のための国際野外活動フォーラム」

基調講演 「障がいのある人ない人が共に野外で楽しみ、そしてつながる」
 ~オーストラリアの障がい者キャンプ~

デビッド・ペセリック氏(オーストラリアキャンプ協会CEO)

オーストラリアでの先進的な野外活動例

野外活動の経験が豊かな「People Outdoors」
今回のフォーラムでは、オーストラリアキャンプ協会CEOであるデビッド・ぺセリックさんが基調講演として、オーストラリアで実践されている障がい者のための先進的な野外活動例をご説明くださいました。
「People Outdoors」は障がいのある人たちにキャンプや野外活動の機会を提供するNPO組織で、1988年に設立されたそうです。運営メンバーは4人の専属スタッフと約120名のボランティアで、2010年には40回のキャンプや44回の日帰りキャンプなどを実施されたとのこと。
キャンプに参加するのは約10名ほどで、参加者一人ひとりを、それぞれのボランティアが担当。プログラムの運営や食事の準備などは、専属スタッフが行うそうです。とても組織立ったメンバー構成と手厚いサポートは、早くから障がい者のためのキャンプに取り組んできたオーストラリアならではの経験値を感じさせるものでした。

リスク・マネジメントに基づいて野外活動を実現
デビッドさんが講演の中で、一番、時間をさかれたのは「野外活動でのリスク」についてでした。野外活動を実施する際、特に障がい者の方においては、リスクをどうとらえるか。リスクを恐れていては、何も経験できないし、何も創ることができない。しかし、リスクを組織的に管理し、危険や損失などを低減することで、効果的な野外活動を実現できるということでした。このようなプロセスを「リスク・マネジメント」というそうで、書籍や論文、新聞記事などを引用して、分かりやすく説明してくださいました。


障がい者向けサービスのための法律を紹介

オーストラリアでは障がい者の方が、自立して暮らせるよういくつかの法律や政策が整備されているそうで、デビッドさんはビクトリア州で施行されている「連邦障害者差別禁止法」「障害者法」「連邦障害者計画」など、いくつかの法整備をご説明くださいました。これの中では、障がいのある人もない人も、人間としての価値や尊厳を尊重することの意義が十分に唱えられていました。
最後に「People Outdoors」の具体的な活動をスライド写真を使って紹介してくださいました。デビッドさんたちのキャンプに参加する障がいのある人たちは「もっと冒険してみたい」「社会に貢献したい」と思っておられるそうで、スタッフたちはキャンプでの様子をできるだけ多くの写真におさめたり、参加者一人ひとりに応じたサポートを実践されていました。
このようにオーストラリアでは、「People Outdoors」のようないくつかのグループが、障がいのある人たちとの野外活動を数多く実践しています。これらの活動が具体的かつ現実的に進められているのは、いくつかの政策的な枠組みが整備されているからだと理解できた講演となりました。


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