インタビュー
Dot & Line
愛される人間になることが最大のバリアフリー
穴澤雄介
目が見えないということが、演奏活動にまったく支障がないとは言えません。たとえば、楽譜が必要な仕事はできませんし、アイコンタクトもできないんですから。それに舞台から落ちたことも二度あります。今回のライブでは足元に棒を貼っていました。これを踏んでいるとどちらが客席かわかりますからね。一度、演奏中にぐるぐる回ってしまって、客席から、「こっちを向け!」っていう声がかかったこともあるんですよ。
でも、障害があるなしは関係なく、音楽家としてどれだけ頑張れるかが大事だと思っています。特に今は、オリジナル曲をどんどんアピールしていきたいですね。
バリアフリーというと、健常者が障害者に歩み寄るという風に捉えられがちですが、私は障害者も健常者に歩み寄る努力をすべきだと考えています。結局、障害があろうとなかろうと、人に愛される人間になることが最大のバリアフリーにつながるんじゃないかな。愛される人を目指して頑張っていきたいですね。
高木将雄
僕たちは、基本的に、楽しい曲ばかり演奏しています。実は、子どものファンが多いんですよ。結構幼稚園などからお呼びがかかって演奏をすることがあるのですが、みんなで踊ったりして、最終的にはもみくちゃになってしまいます。
このビッグアイの施設は使いやすいですね。ライブの間、歌やセリフの字幕が流れていましたけれど、あれはいいですね。みんなで楽しめるよい工夫です。それに、演奏中に犬の声が聞こえましたけど、ユニークですよね。施設としては完璧じゃないでしょうか。
演奏することは本当に楽しいです。ヘブンアーティストに選ばれましたが、今後も、路上だけにとどまらず、いろいろな活動を繰り広げていきたいと考えています。
この施設で、みなさんに聞いていただけて、いい仲間と素晴らしい演奏ができたなと感じています。これからも、よき仲間と演奏して、その楽しさなど、何かが聞いてくださる方に伝わればうれしいなと思っています。
- Dot & Line(どっとあんどらいん)
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【プロフィール】
メンバーは、バイオリンの穴澤雄介とパーカッションの高木将雄の二人だけ。
「あの木に寄りかかって」などのオリジナル曲も次々発表し、打楽器とヴァイオリンという意外な楽器の組み合わせがマッチして楽しいと評判を呼ぶ。 第六回東京都ヘブンアーティストに認定され、路上ライブだけでなく、朗読会のBGMや、CDの発売など、多方面で邁進中。