ビッグ・アイ アートフェスティバル:光と影の芸術祭
光と影で紡ぐ「音物語」 出演:岩谷祐之率いる弦楽四重奏
光とオブジェと音楽のコラボレーション
平成22年12月19日(日) 15:00~15:40 多目的ホール
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ステージと客席が一体となった小宇宙での音楽会
第2部開幕前の休憩中、客席前列のお客様に数十個の光のオブジェが配られました。また舞台の最前列には、前日のワークショップ「手づくりあかりをつくろう!」に参加くださった方々の作品が、舞台奥にはそのワークショップの講師を務めてくださった照明塾さんの光る月のオブジェがそれぞれ用意されました。第2部の開幕前から会場には期待感があふれていました。
いよい岩谷祐之さんが率いる弦楽四重奏の登場です。岩谷さんは、関西フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターで、日本のクラシック界を牽引する若手のホープです。岩谷さんたちの弦楽四重奏と舞台・客席にある光のオブジェによるコラボレーション。ステージと客席が一体となった小宇宙空間に音楽が響き渡ります。
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海外と日本を代表する作曲家の名曲コンサート
1曲めはエルガーの「愛の挨拶」、作曲家が婚約者に贈った小品で、会場はゆったりとした気分に包まれました。次に音楽の神童モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、音楽の父・バッハの「G線上のアリア」。両方ともテレビやコマーシャルで耳にしたことのある名曲で、光のオブジェの雰囲気も相まって、会場には少し優雅な空気が流れました。
さらに情熱的な楽曲に。日本を代表する作曲家・久石譲さんの「天空の城ラピュタ~君をのせて」「ハウルの動く城~世界の約束・人生のメリーゴーラウンド」と葉加瀬太郎さんの「情熱大陸」の演奏へと続きました。それぞれの作曲家の情熱がほとばしる名曲ばかりで、会場の熱気も最高潮に達したようでした。
次にドヴォルザークが「きまぐれ、ユーモア」というイメージで作曲した「ユーモレスク」で一息つくと、最後はいよいよ、岩谷さんのバイオリン・ソロによる「チャルダッシュ」。モンティの作曲によるハンガリー民族舞曲のスタイルをもつ曲で、岩谷さんが超絶技巧で演奏。眼にも止まらないような早いパッセージや情緒豊かに聴かせるメロディーなど、会場は岩谷さんの音色に心から聞き入っていました。
- 岩谷祐之(いわたに・すけゆき)
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【プロフィール】
4歳より天理教音楽研究会弦楽教室にて東儀祐二、五十嵐由紀子の両氏に師事。これまでに東京交響楽団、京都市交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団などのオーケストラとベートーベン、シベリウス、プロコフィエフ、チャイコフスキーなどの協奏曲を共演。
1998年、第67回日本音楽コンクールヴァイオリン部門第3位入賞。1999年、第68回同コンクール同部門第1位入賞。松下賞、レウカディア賞、鷲見賞を受賞。2001年、フランスへ留学。パリ・コンセルバトワールでボリス・ギャリッキー氏に師事。2003年、ラジオフランスフィルハーモニックオーケストラで第2バイオリン首席奏者を務める。2005年、兵庫県芸術文化センター付属オーケストラに入団。2008年、関西フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターに就任。